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サフランの収穫

今年もサフランの収穫時期がやってきました。

いつもより1か月くらい遅いタイミングでした。

サフランは夏の間、球根を冷暗な場所に並べておいて秋に温度が下がってくると芽を出してその先に花を咲かせます。土も水も必要ありません。室内で花を摘み取って雌しべだけを収穫します。

今年はなかなか涼しくならなくて時期が遅くなって花が咲き始めました。

花は一輪咲いたと思ったら一気に咲き始めます。

花が開ききらない蕾のうちにとってしまいます。

開くととってもきれいでかわいい花なのですがその姿を見ずに蕾で収穫です。

花が開くと雌しべを外す作業が不効率になり、また花粉が付着して品質が下がってしまいます。とはいえ、開花量が多い日は摘んでいる間にどんどん花が咲いてきてお花畑みたいな状態になってしまいます。暗めの狭いところに沢山の花が一斉に咲いて甘ーい香りがしてきます。

花を摘んだら花から真っ赤な雌しべだけを外していきます。

一輪からこの3本だけが収穫されるのです。赤い部分だけを切り取りオレンジ、黄色、白の部分が入らないようにしたものが品質の良いサフランと呼ばれます。

それを乾燥させると少し黒味を帯びた赤になり一回り小さくなります。

1gのサフランを収穫するのにおおよそ420本、150輪ほどの花が必要になります。気の遠くなる収穫だなと自分でも思ってしまいます。

そういえばこの写真、先日なぜかイランにある会社のインスタに使われていました。どうして??どこから??と思いつつ言葉が読めずスルーしましたが。

ひたすらにこんな感じで花と戦います。大量にほかされる残った花。

最近ではこの花、レストランで使いたいなんてご希望も頂きます。エディブルフラワーってやつですかね?食べたり飾ったりして頂いています。

サフランの花はネットに入れて入浴剤代わりにお風呂にいれたりもできるそうです。もっと何か活用法がありそうに思えるのですが綺麗で大量なゴミとなります。

花が咲き終わった球根はこんな感じです。沢山の芽が生えてきて葉が出てきます。この芽の数だけ次の球根が生まれるのですが大きな良い球根をつくる為には芽をちぎってできる球根の数を少なくする必要があります。

気温が12℃を越えなくなると新しい芽が出てこなくなるのでそのタイミングで芽をちぎって畑に植えていきます。

今年はなかなか気温が下がらなかったので植付時期もかなり遅め。

色んな仕事に遅れが出ていたので助かったともいえますが畑を耕す作業で私が自分でどうしてもできないのがこれ。トラクター。いつか自分で出来るようにしなくてはと思いつつ80歳目前の父に助けてもらいました。なかなかの腕前。

その横で私は畝立て開始。手押しのこの機械なら使えるのです。

昨年、大分にサフラン栽培の勉強をさせてもらいに行った際に球根を植える方法があまりにも違って驚きました。今まで丁寧に手間をかけてやり過ぎでした。そしてその割に上手く育っていない。

 

以前はマルチを張って1つ1つ穴に植えていたサフラン。

今年はマルチ無し、溝を切って並べて土を掛けて終わり。

とってもざっくりとやってみました。

大分で見せて頂いたのはもっとざっくりしてたのでこれでも丁寧過ぎるかもしれません。

このサフラン、今から緑のフサフサの葉がでてきます。

そして雪に埋もれても負けずに球根をつくります。

来年5月ごろに堀上するころには大きくて立派な球根ができることでしょう。

そうあって欲しい・・・できますように。

サフラン栽培の方もなかなか難しく毎年祈りながらやっております。