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サフラン開花、収穫に大忙し!

今年も無事にサフランの開花が始まりました。

春から暗い室内に並べている球根から長く白い芽が伸びてきて、それでも花を見るまでは咲くかどうかと不安になるものです。心配して、心配して、一輪見つけると嬉しくてなんだか感動して見とれます。やっぱり綺麗でかわいい花です。眺めて、並べて、記念撮影なんかして・・・というのは初日だけ。一輪咲いたらもうお休みはありません。短くても2週間、去年は4週間かかりました。とっても忙しいサフラン収穫作業が始まりました。

こんな感じで棚に並べたサフランは土も水も日光もなしに花を咲かせます。しかも一斉に。朝晩が涼しくなって日中に気温が上がった日は箱の中いっぱいに花が現れます。雨の日や寒い日はなかなか花が咲きません。でも気を抜いていると、突然沢山の花が現れたりします。なので天気予報を見ながら、一日中何度ものぞきに行きます。お天気がいいと朝にすべての花を摘んでもお昼にまた沢山咲いていたりもします。と、一日中振り回されます。できるだけ花が開き過ぎる前、蕾のうちに摘み取りたいのです。

これくらいの蕾が丁度良いのです。サフランはこの花の中に見える真っ赤な雌しべだけを収穫します。蕾を横に持って軽く指ではじいてやると真っ赤な雌しべが花びらの外側へ飛び出します。花が開いてしまうとそれが上手く出来ず雌しべを選び出すのに時間がかかります。

飛び出した雌しべがこちら。この雌しべをハサミでカットして収穫します。

そして蕾のうちに作業したい理由がもう一つ。花が開いてしまうころ黄色い雌しべはしっかり花粉で粉だらけになります。その花粉が雌しべにつくと収穫、乾燥後のサフランがざらざらと汚れてしまいます。

こちらは上手く飛び出さなかったので花びらを分解して取り出した雌しべです。雌しべは先が3本に分かれています。付け根の部分は白、黄色、オレンジ、赤と先へ向かって色が濃くなっています。この赤の部分だけを収穫します。白や黄色が混じっているものはサフランとしては品質が悪いとされます。赤い部分だけを切り取っても乾燥が完了すると少し色が薄くオレンジになる部分も出てきます。もったいないと思いつつもできる限り赤い部分だけを収穫し色の薄い部分は切り取って捨ててしまいます。

収穫したサフランの乾燥です。収穫直後のサフランはしっとり濡れていてとても柔らかく、指で強くつかんだだけで品質が下がるほどです。まずはそっとペーパーの上に落としてやって乾かします。それを少しずつ集めながら1週間以上室内で自然乾燥させます。直射日光は厳禁です。作業場所は足の踏み場がない状態にびっしりサフランが並びます。栽培規模が大きくなて場所が足りなくなるまでは自然乾燥で続けたいと思っています。その方が風味が良いような気がするのです。乾燥機はしばらくお預けです。

おまけで、お気に入りの優れものをご紹介。

亡き祖母が愛用していた踏み台を母から借りました。そんな前からこんな便利なものがあったとは。高く積み上げたサフランの箱を覗くのに踏み台を使うのですが移動が面倒なのです。この踏み台、アルミで出来ていて物凄く軽いんです。なのに頑丈。長く伸びた持ち手で軽く移動。収穫カゴを持った手で指一本で動かせます。便利なものがあるんですね。とっても助けられています。そんなこんなで、しばらくサフラン収穫の日々が続きます。それが終わると球根を畑に植えます。当分大忙しになりそうです。その様子はまた続報で。