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とんど

とんど。小正月に行われる地域の行事です。田んぼが少なくなった地域ではやらなくなったところも増えているようですがここでは健在です。

お正月のお飾りや門松などを持ち寄って竹で組んだやぐらで焼きます。

まずは3本の竹を組み横に骨組みをいれて縄で縛って固定します。

その下にたきつけになるものを置きます。年齢層が上がってきたのでしっかり覚えておくように!とのことですがここにいる若手達も40歳前後という高齢化です。

組んだ骨組みの中に細い竹をどんどん詰め込んでいきます。

この竹は軽トラに乗せて運んで来たもの。田んぼがあっても竹藪がなかったらできない行事ですね。この辺りは同じ週末にあちらこちらに色んなサイズや形のやぐらが朝から出来上がりお昼ごろにはあちこちから煙が上がります。煙・・・街ではなかなか出来ない行事かもしれませんね。

男性陣が朝から集まってここまで完成。

一度解散してお昼ご飯をすませると女性も一緒に集合してとんどがはじまります。

持ち寄ったお飾りなども加えてお酒で清めてお供えもしてみなさんそろったところで火が入ります。なかなかの勢いで燃え広がり時折、ドーン!という地響きするような竹が破裂する音が響きます。この大きな音はあちらこちらの他の地域のとんどからも聞こえてきます。

子供たちは書初めを持ち寄ります。

長い竹の先に書初めをつけて炎と煙の勢いに乗せて飛ばします。より高くより遠く飛んでいくと字が上達するといわれています。

書初めを飛ばし終わるとやぐらを今年の方角へ向けて倒します。

ここからがお楽しみ。ちょうど良くなってきた火でお餅を焼きます。とんどの火で焼いたお餅を食べるとその年健康で過ごせるといわれています。

竹にお酒を入れて熱燗にしたり、お餅以外のものをこっそり焼いたりも楽しみの一つです。この炭を持ち帰って翌日の朝にあずき粥を炊くとか、お餅を焼くのに使った竹の棒を持って帰って家に立てておくと厄除けになるとか、いろいろと奥深い行事です。お正月が明けてご近所さんが集まって顔を合わせてあいさつ出来るとっても大切な行事の一つです。